私が疑問に思ってきたのが、米軍がいったいどこでどんな訓練をしているのか、日本政府は本当は知っているのだろうか?ということです。
防衛省に「把握しているのか?」と聞くと「していません」と答えます。
沖縄でオスプレイが墜落した事故は、洋上30㎞の地点で空軍の特殊作戦機MC-130から海兵隊のオスプレイが夜間に空中給油するという、いかにもおどろおどろしい内容でした。私が「こうした訓練を把握していたのか、これからどこでどんな訓練をするのか把握しているのか」と聞くと、「把握していません」と答えるのに「安全は確認された」と平気で言うのです。
「どこで何をやっているのか知らないけど、安全は確認されました」こんないい加減な話はありません。
そんなおり。
羽村市での米軍機パラシュート落下事故を受けて行われた防衛庁レクチャーにて、撤去の会の高橋さんから「米軍の発表には高度3810mから、とあるが横田空域は3700mまで。横田空域外で訓練をしていたということか」との質問がありました。
そこから国土交通省に提出していたであろう飛行計画はどうなっていたのかという疑問にもなったのですが、この点についての国交省からの宮本徹議員事務所への回答を読むと…
そもそも飛行計画は提出していないようです。
国交省の回答は「回答は差し控える」ばかりなのですが、一般論として航空法は計器飛行方式による場合(いわゆる自動操縦。旅客機などでは一般的)のみ飛行計画の提出が必要としているとのことでした。
調べてみたら、確かに書いてありました(航空法97条)。
ということは、米軍機が横田基地周辺や沖縄など日本全国の住宅地上空や山間部、海上などで訓練しているときは計器飛行ではないので、飛行計画は提出していないのではないでしょうか。
沖縄と横田の間の移動などについては飛行計画を提出して計器飛行しているかもしれませんが…
これだって、訓練の一環として計器飛行ではなく有視界飛行で行くぞ、ということになれば計画の提出は必要ないということになります。
本当は把握していて、でも秘密にしているのならそれはそれで大問題ですが、日本政府として、米軍の危険な訓練の実態を把握すらしていないという大変危険な状態です。三沢基地所属のF-16戦闘機が山間部や住宅地で異常な低空飛行訓練をやっている動画が話題になりましたが、あのような危険な状況が日本中どこで起きても不思議はないということです。