オスプレイ配備は撤回しかない

外務省、防衛省は在日米軍から、「5機のCV-22オスプレイを本年10月1日に横田飛行場に配備する旨の連絡」があった旨を発表しました。

このことに厳しく抗議し、米政府に対して撤回すべきと求めることを訴えるため、外務省、防衛省担当者からの情報の聞き取りに向かいました。
宮本徹、笠井亮衆議院議員のほか、吉良よし子、山添拓両参議院議員、徳留道信都議なども参加していました。

しかし、担当者からは「連絡があった」程度の情報しか明らかにされませんでした。
具体的には、米側から、「米国防長官府の許可が下りた」と日本政府に通報があったのは8月16日、その時点で「日米間の調整が整うまで」公表しないと合意したとのこと。

調整とはなんだ、日本政府側からは何を求めたりしたのか、発表まで何日も何をやっていたんだ、など聞いても「答えは差し控えさせていただく」と無回答。本当にひどい対応でした。

防衛省は、10月1日配備と言ってもすでに行なっているオスプレイの訓練について、最初は「東富士演習場や三沢基地に行ったことは承知している」とだけ述べていましたが、その後「横田基地の周辺でも飛行していることは承知している」と言いました。

そのことについて具体的に聞くと、防衛省職員が夕方までは離発着について記録しているようですが、夜間は記録していないこと、横田基地の離発着だけで、どこでどのような訓練をしているかは把握していないということでした。

私は、すでに連日オスプレイが夜間に激しく訓練を行なっている事実を伝え、「政府はオスプレイが『アジア太平洋地域の安定に資する』などと歓迎しているが、本来住民がリラックスする時間に米軍機が頭上を飛び交っている事態を知った上で、それでもそんなことが言えるのか、住宅地上空での訓練も容認、歓迎するのか」と聞きました。

が、防衛省の職員は下を向いたり、書類をパラパラとめくったりするだけで、答えませんでした。安倍政権の立場は「オスプレイ歓迎、国民のことなんて知ったことか」でも、面と向かっては言えないということでしょう。

日本政府の認識はあまりにも実態とかけ離れています。本当に国民の安全を守ろうとするなら、国民を危機にさらしているオスプレイの配備は撤回以外にないということを、これからも日本政府に突きつけていかなければなりません!

米軍の訓練は野放し

私が疑問に思ってきたのが、米軍がいったいどこでどんな訓練をしているのか、日本政府は本当は知っているのだろうか?ということです。
防衛省に「把握しているのか?」と聞くと「していません」と答えます。

沖縄でオスプレイが墜落した事故は、洋上30㎞の地点で空軍の特殊作戦機MC-130から海兵隊のオスプレイが夜間に空中給油するという、いかにもおどろおどろしい内容でした。私が「こうした訓練を把握していたのか、これからどこでどんな訓練をするのか把握しているのか」と聞くと、「把握していません」と答えるのに「安全は確認された」と平気で言うのです。

「どこで何をやっているのか知らないけど、安全は確認されました」こんないい加減な話はありません。

そんなおり。

羽村市での米軍機パラシュート落下事故を受けて行われた防衛庁レクチャーにて、撤去の会の高橋さんから「米軍の発表には高度3810mから、とあるが横田空域は3700mまで。横田空域外で訓練をしていたということか」との質問がありました。

そこから国土交通省に提出していたであろう飛行計画はどうなっていたのかという疑問にもなったのですが、この点についての国交省からの宮本徹議員事務所への回答を読むと…

そもそも飛行計画は提出していないようです。
国交省の回答は「回答は差し控える」ばかりなのですが、一般論として航空法は計器飛行方式による場合(いわゆる自動操縦。旅客機などでは一般的)のみ飛行計画の提出が必要としているとのことでした。

調べてみたら、確かに書いてありました(航空法97条)。

ということは、米軍機が横田基地周辺や沖縄など日本全国の住宅地上空や山間部、海上などで訓練しているときは計器飛行ではないので、飛行計画は提出していないのではないでしょうか。

沖縄と横田の間の移動などについては飛行計画を提出して計器飛行しているかもしれませんが…
これだって、訓練の一環として計器飛行ではなく有視界飛行で行くぞ、ということになれば計画の提出は必要ないということになります。

本当は把握していて、でも秘密にしているのならそれはそれで大問題ですが、日本政府として、米軍の危険な訓練の実態を把握すらしていないという大変危険な状態です。三沢基地所属のF-16戦闘機が山間部や住宅地で異常な低空飛行訓練をやっている動画が話題になりましたが、あのような危険な状況が日本中どこで起きても不思議はないということです。

オスプレイの配備強行は許せません!

昨日、正午前に5機のオスプレイが横田基地に飛来し、マスコミがいっせいに報道しました。
オスプレイの横田基地配備計画は、当初2017年の計画だったものが、昨年になって米政府から「最大3年延期」と一方的に延期が通告され、今度は一転、「今夏に配備」と前倒しされたものです。
本日の赤旗が報じていますが、米軍から日本政府にこの連絡があったのは3月16日。しかし、実際にオスプレイが横須賀に到着するまで、このことはふせられていました。こうしただまし討ちの卑怯なやり方は許せませんが、裏返せば、米政府も日本政府も国民の中に怒りの声があがることを、もっとも恐れているということです。本日の緊急集会を皮切りに怒りの声を急速に広げ、米軍の戦争体制に私たちのくらしを巻き込む横田基地の危険な強化をやめさせましょう。

【経過など】
沖縄・普天間基地に2012年に12機、2013年にさらに12機のオスプレイが配備されました。これは米軍のうち海兵隊の装備として導入されたものであるため、型番の頭に「M」をつけて「MV-22」と表示されます(Mはマルチミッション=多用途とのこと)。
横田基地に配備されるオスプレイは、空軍の装備として導入されるものであるため型番の頭に「C」をつけて「CV-22」と表示されます。Cは一般的に輸送機の型番ですが、オスプレイの場合は敵地深くに忍び込むような「特殊作戦」での輸送が任務と言われており、そのため危険度が高く事故率が高いと考えられています。
また、これまで横田基地に配備されてきたC130輸送機14機は昨年から今年にかけて新型に交換されており、これに加えてオスプレイが今夏に5機、その後10機にする計画です。さらに、これまでC130輸送機が輸送する兵士は沖縄や海外の部隊の兵士でしたが、オスプレイが輸送する特殊作戦部隊は横田基地に部隊を新設するとしています(450名規模)。

横田基地へのオスプレイ配備は完全な基地機能の強化であり、日米政府が一方的に強行するなど許されるものではありません!

井上たかし

横田基地の輸送機がエンジン不具合

横田基地所属のC130J輸送機が2月28日にエンジンの不具合により嘉手納基地に「予防着陸」したとのこと。

C130輸送機は、昨年の3月から今年の3月にかけて「H型」から「J型」への置き換えが進められています。

「新しい機体なのに、もう不具合?」と思ったのですが、聞いてみたら現在11機ある横田基地のC130Jのうち、5機は「中古」のとのことでした。

まだ詳細はわかりませんが(今後わかるのかどうかも不明ですが)、いずれにしろ、やはり米軍機の危険性は、決して沖縄だけの問題だけではなく、日本中が危険にさらされているとみなければなりません。

リンクは福生市のホームページに掲載された情報です。
また東京都を含む基地所在自治体から米軍への要請文も掲載されています。同内容の文章を日本政府(北関東防衛局長宛て)にも送っています。

嘉手納飛行場における横田基地所属C-130Jの予防着陸について